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その週末、千夏と共に
香港に飛んだ。
久しぶりに会った冬木さんと
沙織に案内されながら
俺と千夏が暮らす家を見て回る。
だけど結局沙織の意見で
冬木さんたちと同じ
高層マンションが
一番安全って事に。
「そうすれば私も
沙織さんにお料理教われるし
ユキくんも拓馬君と一緒に
会社に行けるじゃん」
いや…出来れば一緒に
出勤はしたくないけど。
まぁ知らない土地だけに
千夏にとっては沙織がいてくれたら
心強いだろうし、
何よりあの過保護な両親も
冬木さんと同じマンションなら
心配も減るだろう。
香港転勤まであと1週間。
結婚式は香港で挙げる事に
なりそうだけど。
初めて見る香港の景色に
一喜一憂する千夏を見つめながら
俺も新たな地でもう一度
人生のチャレンジをして行く事に
覚悟を決めていた。
次の目標は…
香港支社の売上を
全社No.1に押し上げる事。
ここからは俺と東雲は
恋のライバルではなく
人生のライバル。
今度こそはアイツに
負ける訳には行かない。
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