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降り注ぐライスシャワーと
初夏の太陽に照らされて
式を終えた俺と千夏を
皆が笑顔で迎えてくれて。
「次は前島チーフと
東雲部長ですからね!
絶対これ受け取って下さいよ」
笑いながら階段の上で
背中を向けた千夏が
ブーケを空高く放り投げた。
太陽と一体化したそれは
大きく弧を描いて…
ポトリと落ちたのは
一番離れた場所に立っていた
美杏の手のひら。
「はっ!
相手もおらんくせに
何やねんお前」
すかさず突っ込んだ橋本に
鋭い視線を向ける美杏。
「アンタには関係ないでしょ!」
キャンキャンと言い合いする
橋本と美杏。
それを東雲が阻止する姿を
眺めながら千夏がポツリと呟いた。
「ねぇユキくん…
なんかさ、あの二人、
お似合いだと思わない?」
「うん、俺もそう思ってた」
この時の俺と千夏の勘は
決して間違っていなかったんだけど。
それはまた次のお話って事で。
-------Episode X END------
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