彼女の想い

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「もうっ! ユキくんあり得ない! そういう言葉はもっと…」 「もっとロマンチックな 場所の方が良かった?」 笑いながら言った俺に 千夏はプクーッと 頬を膨らませて頷いたけど。 だってもう俺、 我慢出来ねーもん。 千夏が書いたあの曲が完成する前に この言葉を伝えてあげたかったし。 「明日、婚約指輪買いに行こう」 もう一度落とした言葉で ご機嫌斜めだったお姫様も 再び笑顔に戻ってくれて。 「お父さんとお母さんに 知らせなきゃ!」 俺の手をぐいぐい引いて 家の中に入って行く千夏に 必死に笑いを堪えながら 俺も玄関ポーチに足を進めた。 千夏のご両親と相談して 入籍は1年後のコンペを終えて その結果が出てからって事に したけれど、千夏の希望で 来月から同棲生活を する事になった。 家事が苦手な千夏だけに 不安がない訳じゃないけれど 一緒に生活しながら 少しずつ覚えて貰うしかないし ある意味、俺に千夏の躾を 任されたって事らしい。 そして今日から同棲開始。 まずは1週間の慣らし運転的に 考えてはいたけれど… それはとてつもなく刺激的な 1週間となって行く。
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