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…プロローグ…
朝、東側の窓から差し込む陽りに
包まれながら目を覚ます。
彼はまだ、あたしに腕を絡ませながら
眠っていて、その子供のような寝顔に手を這わす。
くすぐったそうに顔を歪めた彼は
ゆっくりと薄眼を開けた。
その目にあたしを捉えると
優しく微笑みながら、少し掠れた声を出し
「……おはよ」
髪にそっと触れた。
それがあまりにもくすぐったくて
自然と頬が緩む。
「おはよ…」
そんな些細な事でも
あたしには特別で…大切で…
その一つ一つが堪らなく愛おしくて…
幸せを感じるーー…
「リコ、こっちおいで…」
抱き寄せられた彼の胸の中は…
優しくて…温かくて……
まるで、陽だまりの中にいるみたい。
「大好き…」
「あぁ、俺も」
いつも溢れんばかりの愛で満たされている今は……
彼らがくれたあたしの未来ーー…
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