命の重さ

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頻繁にナオトの店に飲みに行くようになって、あたし達は昔の様に話し、そして笑うようになった。 この数週間で4年間の溝が埋まった訳ではない。 だけど、同じ時間を過ごしていればいつか見えない未来が見えてきそうな気がしてたー… だけどそれはただの思い違い。 大切な事から目を背けながら一緒にいたって、なにも変わらない。 笑い合える今に逃げて…向き合わなきゃいけない事から逃げていた。 あたしにもナオトにもあるはずの 大切な人ととの未来から… ただ…逃げていただけなんだ。 あたし達のせいで 傷付いた人がいるという事をーー… あたしが現れた事で 堪らない孤独と不安を抱え… それでも、生きようともがいている人がいるという事を…… あたし達は、分かっていながら… 向き合う勇気を持てずにいたんだ。
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