命の重さ

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あたしに言える事ってなんだろう? あたしにできる事ってなんだろう? 助けてあげたいけど… 力になってあげたいけど… 二人の過ごしてきた時間を知らないし この4年間のナオトも知らない。 だけど、一つ…言える事があるとするならば、… 「ナオトは…いつ死んでもいいって…思ってたと思います…」 あたしもそうだったから、分かる。 あの街を出て、ここに来て… 黒い淀んだ空を見上げる度に 自分がこの世に存在する意味が分からなくて たまらなく苦しかったから 「それでも、生きてこられたのはひかりさんのおかげです。 どんな形でも…違う名前でも… 生きる事を選んだんだと思います」 それがナオトの見つけた答えなんだと思う。 ナオトが見つけた、大切なモノ。 「だから、大丈夫。絶対に…大丈夫だから…妊娠していることを…彼に、話してあげて下さい…」 「……でも」 「…ナオトは…命の重さを誰よりも知っています」 「……え?」 「だから、その命を大切に想ってくれるはずです」
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