命の重さ

11/26
前へ
/524ページ
次へ
その言葉の意味をどこまで理解してくれたかは分からないけど… ひかりさんは、溢れた涙を細い指で拭い 小さく頷いてくれた。 そしてゆっくりと顔を上げ、初めてあたしの目を見つめる。 「一つ…聞いてもいいですか?」 ナオトによく似た色素の薄い瞳は、真っ直ぐあたしを捕らえ、逃がさない。 何故か心を見透かされているようで 胸の中が、ザワリと揺れた。 「ひさしっていうのは…」 「………」 「…誰なんですか…?」 「………」 突然、頭の中にキーーンと痛みが走り、痛みで眉間にシワが寄る。 視界が一瞬でボやけ、喉が塞がったように息苦しい。
/524ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加