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真実を伝える事が正しい事とは限らない。
このまま隠し通した方が良かったのかもしれない。
でも、それじゃあたし達はずーっとあの頃に囚われたままで、いつまでたっても
大切なモノと向き合えないから…
大切なモノを守れないから…
二人でまたあの頃に戻って
またそこから始めないとダメなんだ。
「………」
電話の向こうからは、お店のお客さんの話し声が聴こえる。
「仕事中にこんな話ししてゴメンね」
「………」
でも今しないと、また自分の気持ちに蓋をして誤魔化しそうでイヤだったの。
「仕事終わったら、会える?」
聞き逃してしまいそうな低く小さな声に…
ドクンッと胸が鳴る。
「……うん」
「早く上げてもらうようにするから…終わったら、連絡する」
「…うん」
プツッー…
耳元で途切れた電子音にたまらない孤独を感じ、枕に顔を埋めた。
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