命の重さ

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あの時、どっちも大切だって言った言葉に嘘はない。 形や種類は違うけど、ナオトもひさ君も大好きだったのは本当。 だけど、あたしにとって、どっちが必要で どっちを失いたくないかなんて… 答えは出ていたんだ。 思い描く未来にはいつもナオトがいて 過去も今も、未来も… ナオトがいる世界しか見えなかった。 だけど、今更そんな事に気付いた自分が許せなかった。 散々振り回してきた二人に言えるはずもない。 だから、曖昧な態度で誤魔化した。 自分を守るために この気持ちに蓋をすれば… まだ取り繕えると思ったから… ひさ君に抱かれながら、 その想いに気付かないフリをし続けたんだ。
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