蜃気楼の中

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その日はなかなか眠れなくて どこまでも続く真っ黒な空を ずーーっと、眺めていた。 いつの間にか白みを帯びた東の空は 藍色に変わっていき その綺麗すぎるグラデーションに 視界が霞む。 これからどうしたいとか どうなりたいとか 明白には分からないけど… ただ、今の現状がこれからも続くのかと思うと、悲しくなる。 それでも、あたしの答えなんて 決まっているのに このままでいいのかなぁ… とか、不安にも似た想いで胸が苦しくなる。 大好きなヒサ君と別れるなんて、 出来るわけないない。 それなのに、悪足掻きしてしまうあたしは 一体なにがしたいんだろう… ヒサ君に求めても報われないのに、 あたしは何を求めているんだろう… そんな事を明け方までずっと考えていたら、いつの間に眠りに落ちていた。 そして… ♪♪♪♪♪ーー~…… 鳴り響く携帯の着信音で少しづつ意識を取り戻した。
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