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一体どれくらい悩んだのだろうか。
すでに日が傾きかけている。
ここでペルセポネーが、
ぺ「あなた、そろそろ行きましょう。門が閉まってしまいます」
そうである。
ガーガルマ王国の入り口に当たる城門は、日の出から日没の間しか開いてないのだ。
しかし、
「急ぐにしたって、この娘はどうする?」
ぺ「致し方ありません。この娘は一時、お母様に預けましょう」
「いいのか?それで…」
ぺ「…はい」
そう言うと、ペルセポネーは念話をするため、意識を集中しはじめた。
ぺ「……お母様、私です。お忙しい所、申し訳ありません。実は…」
ペルセポネーはお母様を説得しているようだ。
少しして、
ぺ「えぇ、はぃ…ありがとうございます。では、また…」
お礼を言ったという事は、たぶんOKを出されたのだろう。
一応、隴は確認してみる。
「お母様、何だって?」
ぺ「星の記録によれば、この娘は将来大成するそうです。ですがまだ幼い為、一時的にお母様が預かると仰ってました」
何ともまぁ、この娘の将来が楽しみになってきたな。
ぺ「…それと」
ペルセポネーが言葉を紡ぐ。
ぺ「折角の新婚旅行なのだから、2人っきりで楽しみなさい♪…だそうです///」
「お、おぅ…」
こうして、
吸血鬼の少女は、光に包まれて消えていき…
隴とペルセポネーは、ガーガルマ王国に向けて歩き出すのだった。
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