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門が閉まる直前、隴とペルセポネーは城下町に入った。 さすが商業で栄えた町だと言わんばかり、あちこちに大きな店が建ち並んでいた。 中でも目を引いたのが、噴水の真ん中にそびえ立つ時計台だ。 時刻は丁度、夕方6時を指そうとしている。 カチッ という音と共に、 ゴーン…ゴーン… と、鐘が鳴り出した。 「6時か…お腹減ってきたな」 そういえば、昨日の夜から何も食べてなかった。 「セルナ、何か食べないか?」 ペ「そうですね!あっ、あのお店…とてもいい匂いがしますよ♪」 ペルセポネーが指を指したのは、一見ボロく見えるが、よく見ると高そうなアンティークばかりで建てられた店だ。 店の前にある看板には、 【ル・モワール】 意味はわからないが、とにかく美味しそうな匂いが漂う店だった。 ここであることに気づく、 「そういえば、お金持ってない…」 そうである。 二人はこの世界に来たばかり、通貨など持ってなかったのである。 ここでペルセポネーが、 ペ「大丈夫ですよ?」 (゜〇゜;)????? 隴が疑問に思っていると、ペルセポネーは小さな布袋を取り出した。 そして、近くを歩いていた老人紳士に話しかける。 ペ「すいません。金貨を1枚、見せて頂けませんか?」 いやいやいやいや ペルセポネーさん、普通は断りますよ? 断るはずなんだけど、 あなたの笑顔に老人紳士は金貨を1枚差し出した。 そして、 紳士「なんだろう、心が洗われるようだ。実に気持ちいい…よし、この金貨は君にあげよう」 そう言ってペルセポネーに金貨を渡すと、微笑みながら去っていった。
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