19人が本棚に入れています
本棚に追加
どれくらい経ったのだろう。
相変わらず周りは暗くて見えないし、時計の音も聞こえていた。
俺は大きな欠伸をしたあと、上半身を起こして黄昏ていた。
ただただ、黄昏ただけ…
しばらくして、俺は立ち上がった。
何となく、歩いて見ようと思ったからだ。
そこで今更ながら気がついた。
俺は何も身につけていなかったのだ。
まぁ、暑くも寒くもないし、これだけ暗いと大丈夫だろう。
そう思い、俺は気にせず歩き出した。
とりあえずひたすら真っ直ぐに進む。
たまに足に何かが触れる。
触ってみて、大きかったり、重かったり、触り心地が嫌だったもの以外は拾ってみた。
中には布生地も落ちており、大きさ的に羽織ってみると、丁度着物みたいな感じになった。
裸だったから、少しはマシになったと思った。
その後もちょっと長い棒を杖の代わりに拾ったり、鎖のようなものがあったから、持てないものは鎖に繋いで引きずって歩いた。
かなりの物を拾ったと思うけど、重くてもう歩けそうにない。
俺はその場に勢いよく座り込もうとした。
けど、
お尻が地面を捉える事はなく、いつの間にか出来ていた穴に落ちていった。
今まで拾った物が鎖を伝い、俺を追い越して落ちていく。
次の瞬間には、その重さでさらに勢いを増して落下していった。
最初のコメントを投稿しよう!