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一方的に人を親友扱いし、付きまとう歩く迷惑。
もとい汚物が、いきなり現れた魔方陣に吸い込まれて消え失せ、喜んだのもつかも間、気がつくと僕は見知らぬ場所にいた。
あれが消えたあと、僕は家に帰って祝杯をあげて、気持ちよくベットに入ったはずだ。
なのに目を覚ますといたのは、上下左右、どこを見回しても何もない真っ白な空間。
しかも目の前には、古代ローマ人のような真っ白な服を着て、背中に十二対二十四枚の翼をはやした金髪碧眼の美形。
と、くればこの先の展開は、携帯小説とかでよくあるあれか?
しかし、僕は巻き込まれた覚えも、死んだ記憶もない。
でも僕はここにいると言うことは、あれしかない…… のか?
「最悪だ。汚物が消えてくれたお陰で、ようやく平穏に過ごせると思った矢先にこれか? あの汚物ならともかく、僕がとかあり得ないだろ。 この世界には神も仏もいないのか?」
「仏はいないけど~、神様ならここにいるよ~。」
頭を抱える僕の前で、自己主張する自称神の存在は・・・。
とりあえず、無視だな。
うん。 視界に入れないようにする。
「まぁ、僕はもともと神頼みをしたことも、神を信じたこともないし。信じてない上に、存在しないものに愚痴っても仕方がないか……。」
「だ~か~ら~ここに~いるよ~。僕が神様だよ~。」
「はぁ、でもどうして僕が……。考えれば、考えるほど鬱だ。誰もいないし。一人だし。 これからどうすれば良いんだ?」
「ちょ、お願いだから無視しないで。 ここにいるから。君の目の前にいるから(T0T)」
って、この程度で神が泣き出すって、どれだけメンタル面が弱いんだ。
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