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今日の天気予報は、晴れだといっていたはずなのに、空はどんよりと淀んでいて
空からは、ぽつぽつと雨がふってきた。
「はぁ」
思わず、ため息が漏れてしまう。
雨の日は、憂鬱だ。なにより、春休みだというのに、わざわざ学校に行くのすら
めんどくさい。しかも、そんな日に
かぎって雨だ。
そんな俺の気持ちなど、お構いなしに
後ろから勢いよく背中を叩かれる。
「時雨ぇ!どーしたん!?
そんな不景気みたいな顔しなさって!
どーせ、雨やからやろ!」
「そーだよ・・・・だから、このテンションでお前のハイテンションは
まじイラっとくる」
「そないなこと、いいなさるな!
ほら、はよぉ見に行こうや!」
今日も、依然とコイツのテンションは
高い。高天ヶ原は、俺の手を掴み
どんどん玄関へ引っ張っていく
「あれ、蛍は?」
「ああ、蛍は旅行中や!
あいつ、ちゃんと春休み終わるまでに
帰ってくるんかっちゅーな!」
玄関にはいり、いざ足を踏み入れると
そこはもう、人混みだった。
「うはぁ、人がゴミのよーやぁ!」
高天ヶ原の言う通り、掲示板の回りには
溢れんばかりの人々が押し寄せている。
そして、高天ヶ原はその人混みに
勢いよくダイブした。が、あっという間に弾き出された。
「くっ、この人混みで、あわよくば
女子とドッキドキ☆密着しよう
思うたのに、あっさり弾き出されて
しもたわ!」
「そんなんだから、弾かれるんだよ。
主に女子に」
「ほな、時雨がいってみーや。」
別に、俺は、そこまで新しいクラスが
気になるわけではないし。
この人混みの中を入るくらいなら、
もう少し待つくらい・・・・・
「お願いや!時雨ぇ!はよ
見てきてぇな!ほれ、ほたるの分も
頑張ってきてぇな!」
「ったく、仕方ないな・・・・・」
人混みのなかにはいると、熱気で満ちていた。男子の胸板、女子の香水の匂いで
なんだか人混み酔いしそうだ
あれ、こんな人混みのなか
なんであそこだけ、空間があるん
「うわわっ」
誰かとぶつかり、思いきり
その空間に転がる。
「いたたたた」
「なにしてんの?邪魔なんだけど」
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