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春休みも明け、始業式が始まる。
高天ヶ原は、相変わらず制服を気崩して、整容指導の先生に怒られているし
蛍の姿が見当たらないことから、きっと、蛍は新学期のことを、すっかり忘れているに違いない。
*
「皆さん、こんにちわ。
今日から、2年A組を担任することに
なった佐藤花子です。
2年間よろしくお願いします」
担任になった先生は、隣の高校から
移動になったらしい。
ピリッとスーツを着こなしているせいか、その淡々と業務的な口調のせいか、
" 仕事ができる女"感は、出ているけれど、厳しそうで、教師というよりは
やり手の弁護士という印象だった。
「それでは、右の一番前から
自己紹介をしてください」
出席番号順にいくと、俺は二番目だ。
出席番号一番は 、すっと立ち上がる。
「相沢夏希です。」
名前だけいって、着席してしまった。
「それだけじゃ味気ないから、
二番からは、趣味や好物・・・・いや、モノマネを取り入れるように!」
「え!?」
いやいやいや、なんという無茶ぶりを!
「一番すべった者は、学級委員長を
やってもらう。」
クラス全員、息を呑んだ。
なんだ、この担任・・・・!
「はい、次」
「・・・・あ、雨宮時雨です!
好物は、カステラです」
「はい、ものまね」
「えっと、ドラ◯もんの物真似します・・・・・・・」
恥ずかしすぎて、爆死できる。
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