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談話室の片付けを終えて、カンナは支社のある曲がり角で立ち止まった。
右へ曲がれば女子隊員の宿舎で、左は男子隊員の宿舎へと続く。
いつもならばもちろん左へと進むのだが、先程のキリナの言葉が脳裏を掠めて、足が止まったのだ。
特別に今日だけ泊まっているエティアのことを思い足が一歩だけ女子宿舎へと踏み出したが、ボビーが部屋の鍵を掛けたのを思い出し、頭を振って「何やってるんだ」と一人呟いた。
「カンナちゃん?こんな所で何してるの?」
女子隊員たちから解放されたボビーが、女子宿舎から戻って来た所だった。
「あら、ダメよ。エティアちゃんの部屋には入れないんだから」
「いや、そうじゃなくて…」
ボビーが鍵をちらつかせながら言うのでそれを否定したが、一瞬でもエティアの寝顔を見に行こうとしたので、見透かされたことが恥ずかしくなり、顔を少し赤くしたまま俯いた。
「オホホホ、青春ねぇ」
ボビーは笑いながら、嬉しそうにカンナを見つめた。
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