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バイクを飛ばして40分。
椿「ここか、桜花高校って」
桐「広すぎんだろ・・・」
あたしと桐は今、桜花高校の前にいる。
ちなみに、この高校は全寮制。
もちろん、寮の手配も済んでいる。
椿「・・・まずは、理事長室だよな」
桐「あぁ」
あたしと桐は校舎の中を理事長室目指して進んだ。
意外と綺麗な校舎で驚いたけど、やっぱりカラフルな集団が廊下や校庭にうようよしていた。
まぁ、想定内だったけど。
それに怖いとも思わない。
――――だけど。
椿「・・・・・・・・・?」
桐「・・・・・・・・・?」
何か、おかしい。
あたしと桐が校舎を歩いてると、みんなが奇怪な目で見てくる。
ボソボソと話をする。
凄く気持ち悪いんだけど。
あたしと桐、変な格好してきたか?
伊織には、大丈夫だろうと言われていたけど、万が一のためにと直してきた。
あたしと桐は自分の格好をお互いに見合わせる。
髪はそのままだけど、カラコンは入れてないし、制服だって周りの奴らよりまともに着てる、はずだ。
じゃあ、なんだ?
?「君、襲われたいの~?」
椿「・・・・・・は?」
声がした後ろを振り向くと、そこにいたのは…、髪が藍色、180㎝くらいある身長、整った綺麗な顔をした男だった。
ニコリと笑みを浮かべている。制服を着崩して、なんというか・・・破廉恥、この言葉がピッタリな奴だ。
?「女の子がこんな所来たら危ねぇよ?」
・・・・・・どういう意味だ?
まぁ、とりあえず・・・
椿「理事長室に行きたいんだけど」
?「あー、理事長に用かぁ。校舎広いから迷うよな?案内してやろうか~?」
椿「え、いいのか?」
?「うん、おいで~♪」
言われたとおり、後をついていく。するとみんなの目線が一気になくなった。
何者・・・?
椿「なぁ、名前何ていうんだ?」
そう言うと驚嘆したような表情をしたが
、一瞬で。
?「あぁ、俺は雪梨 槙」
にこっ、とあたしに微笑む。
椿「・・・槙、何で笑うんだ?」
槙「え?」
槙はまた驚いてあたしを見た。
あ、率直に言っちゃった。でも、作り笑顔って苦手なんだよね。
ポカンとしてた槙が、声を出して笑い始めた。
・・・・・・あ、今度は普通の自然な笑い方だ。
槙「あはははっ。俺、初めて女の子に気づかれたよ。あと、いきなり呼び捨てでタメ口した女の子、君が初めて~」
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