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あ、呼び捨てとタメ口、つい今までの癖でやっちゃった。
椿「・・・・・・ごめん。槙って2年?」
槙「そうだよ~。つーか、言っても呼び捨てとタメ口変えねぇんだ!?あはははっ、いーよ。そのままでこれからも話して~」
槙はケラケラと笑う。
椿「うん」
槙「なぁ、名前教えて?」
槙は笑いがおさまったみたいで、あたしを見て言った。
椿「・・・・・・黒澤 椿」
槙「じゃあ、椿~」
椿「うん」
槙「・・・・・・で、そっちの彼は?」
桐「東城 桐だ!」
槙「よろしくな~?椿、桐」
―――歩くこと10分。
広いな、この学校・・・。
槙「ここだよ」
椿「ありがと、槙」
槙「じゃ、またな~。いつでも声かけていいからな~」
椿「うん。じゃ、」
―――ガチャ
槙が見えなくなったのを確認して、ドアを開けた。
あ、ノックしてない。
ま、いいか。
?「椿―――っ!!!逢いたかったぞ―――――――っ!!!!!!」
椿「ニ゛ャッ」
ドアを閉めた途端、抱きつかれてあたしの視界が塞がる。
椿「・・・その声、蕾?」
あたしがそう言うと、腕の力を緩めてあたしの顔をまじまじと見始めた。
蕾「あぁ~、久しぶりの椿!!生の椿!!俺がどんなに逢いにいくの我慢したことか!!!」
・・・・・・・・・さっきから、あたしに意味の分からない言葉を吐いているコイツは、あたしのイトコだ。
七瀬 蕾。年は25。あたしの髪と同じ黒髪で、軽いパーマ。年齢よりずっと若く見える容姿。俗にいう、イケメン。そこらの芸能人なんかよりずっとカッコいい。
兄貴みたいな存在。
桐「何で、お前がここにいんだよ」
桐は、蕾をあたしからベリベリと引き剥がし、あたしを自分の背に押しやりながら言う。
蕾「だって俺、理事長だし♪」
椿桐「「・・・・・・はああぁぁあ!!!?」」
桐「あの蕾が、理事長!!?ないないっ!!つーか、ありえねぇっ!!あっ、頭でも打ったか!?」
あたしは桐の言葉と一緒に首をコクコク頷かせた。
蕾「頭は正常だ、コラ。――引退してからお勉強とやらを頑張ったんだよ」
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