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「だから、なんで逃げるんだよ?」
「に、逃げてなんてない!そっちがこっちに寄って来るからよ!」
上総が迫って来なきゃ私だって逃げたりなんてしない。
あ…もう。
私のゆっくりした朝を返して。
朝から彼に会えたのはうれしいけど、どうしてこういう状況になってるんだっけ。
というか、結局なんで上総はこんな時間に私の前にいるんだっけ。
それに、いくら早く起きたからといって、そろそろ私が起きるいつもの時間帯になってるはず。
時間は……?と上総の向こうに掛けてある時計に視線を向けようとした。
「よそ見禁止」
視線を上総の元に戻させられて、腰をぐっと彼の方に引き寄せられた。
「っ…!」
彼と私の間に隙間なんてもうほとんどないに等しい。
「ち、近いって!そろそろ仕事行く準備しなきゃ行けないから離して、ね?」
どうにかして上総から逃げようと理由を作る。
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