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準備しなきゃいけないのはもちろんなんだけど、一番の理由はそんなんじゃない。
もう心臓がもたない。
それが一番の理由だった。
言葉と共に力なく彼の肩のあたりを押すが、全く効果は見えない。
それどころか何故か彼を煽ってしまったような気がしてしまって。
上総は自分のマグカップを手に取って口角を吊りあげる。
今までの表情とはまるで違う嬉しそうな顔。
いたずらっ子が何か新しい玩具を見つけたときみたいにニヤリと微笑む。
「これはお仕置き、だよな?」
そう言って一口コーヒーを喉に流し込む彼。
………?
一瞬自分の思考がフリーズする。
………お仕置きって!?
やっと言葉の意味を消化出来た私は慌てて上総から離れようとした。
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