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「離し…」
「逃げたらここで襲う。」
襲う……!?
私の体は今の言葉で硬直してしまった。
だって上総なら本気でやりかねないもの。彼の思いのまま事が進んでいく気がしてならない。
それでも私はまだ彼に噛みつく。
それが見栄でも虚勢だったとしても構わない。
彼に弱さを見せてはダメな気がしたから。
「ば、馬鹿なこと言ってないで離してよっ!」
「それって襲っていいってこと?」
そう言った途端スルリと私のTシャツに潜り込んできた彼の手。
妙にその手は熱を帯びていた。
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