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ふっと微かに笑って指元を見つめる。
あなたにして良かったわ。
大丈夫。
あなたとなら上総達よりも愛し合って納得いく家庭を作り上げられる自信がある。
あの二人になんて負けないくらい幸せになってやるんだから。
でしょう?
薬指を口元に持っていき軽く唇を寄せる。
だから。
明子ちゃんと上総にも幸せになって欲しい。
もうこれ以上、上総が我慢しなくていいように。
明子ちゃんがいらぬ心配をせずに上総の元に飛び込んで行けるように
今日しでかしてしまった罪滅ぼしじゃないけど、私に出来る事はしていきたいと思うの。
立ち上がって椅子をしまいドアの方へ向かっていく。
早く二人が素直になれるように、関係を複雑にさせた私が責任をもって元の状態に戻さなきゃ。
二人に幸せが訪れる事を願ってやまない。
部屋の電気を切り、ドアを静かに閉じた。
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