chart10

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あの後、結局私は家に帰らなかった。 師長に無理やりお願いして夜勤を入れさせて貰い、朝まで働き続けたから。 元々夜勤なんて入れてなかったから、もちろん上総には伝えていない。 上総から逃げるために夜勤を入れたなんてとても言えないけど。 伝えてなかったせいか、夜勤明けにスマホを確認すると3件の着信と2件のメールが入っていた。 着信は1件目から焦ったような怒っているような声色のメッセージが3件も続いて残っていて耳を疑う。 最後の1件なんて何かに縋るような声だった。 『お願いだから。連絡するか、帰ってくるかしてくれ。待ってるから』 この言葉が頭で何回も繰り返される。
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