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上総の部屋から飛び出した私は放心状態で自分の部屋のベッドの上に座っていた。
何が起きた...の?
上総がやった事ってどういう意味なの?
私何を口走ってしまった?
もう頭の中がパニックで、どうしたらいいとかこれからどうなるのかとか何も考えられない。
...あっちも私もきっと酔ってた。
それだけよ。
それか、私なんかを助けたせいで麻里亜さんと過ごす時間が減ってしまったからそれの身代わりなのよ。
これからが楽しい時間だったかもしれない。
他意なんてないの。
...きっと一時の過ちでしかない。
そうおかしくなった頭に言い聞かせて、期待なんてしないように自分を抑える。
上総には麻里亜さんがいるのに。
どうしてあんな愛しそうに触ったりするのよ。
どうしてあんなに夢中になってキスなんかするのよ。
どうしてあんなに切なげに私の名前を呼ぶの?
可能性なんてもう1パーセントも残ってないって分かってる。
それなのにどこかで期待してる自分が見えてしまって。
期待なんてしちゃだめだって今までだって自分を律して来たのに、あの口付けのせいで一瞬でそんな規範どこかにぶっ飛んでしまった。
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