chart15

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お互いの唇が蜜で煌めきはじめたのが始める合図で、彼女の服を取り払っていく。 明子が電気を消してとせがんでくれたせいで部屋は真っ暗。 カーテンの隙間から覗く月明かりだけが視覚を助けてくれる。 湿った服は多少脱がしにくかったが、その中に隠れていたモノに目を見張った。 「...あんまり見ないでよ、恥ずかしいんだから」 恥じらいを含んだ瞳で彼女は睨むが、これを見せられたら目を逸らすことなんて出来ない。 ...綺麗すぎる。 白い肌や美しい曲線を描いた腰が月明かりに映えて暗闇に妖艶に浮き上がる。 言葉を失った。 俺が知らない間にこんなにも女になっていたんだって思い知らされた。 同時に今にも消えてしまいそうな儚さを感じて、咄嗟に抱き寄せた。 「かず...さ?」 「もうどこにも行くなよ」 「上総が見つけてくれたから大丈夫。どこにも行ったりなんてしない」 満足げに頷いて、明子の胸に頭を埋めた。 余すとこなく彼女の身体中に唇を這わせ、全身俺のモノだと明子に主張する。 無我夢中で彼女を貪った。 その度に漏れる甘い声が俺を欲情させる。 耳に残る明子の嬌声に頭が侵されて麻痺し出す。 時々恥ずかしそうに口を押さえて声を我慢しようとする仕草も愛おしくてたまらない。 まるで中毒だ。 彼女を欲してやまない。 「...なぁ、もういいか」 何をとは言わないし、明子も何がとは聞かない。 「なんでそんなこと聞くのよ」 ただ、そう言ってクスリと彼女は笑う。 「別に初めてって訳じゃないんだから、そんなこと聞かなくてもいいのに」 あぁ、としか言えなかった。 そうだよなと明子の髪を優しく撫でるので精一杯。
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