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分かってはいたけど、やっぱり心に刺さる。
明子の初めては俺が奪いたかった。
他の男にくれてやったのが勿体なくて仕方ない。
なんて情けなくて言えるはずもないけど、明子のバージンは俺がもらえたらどれだけ嬉しかったか。
昔の男に嫉妬したところで何も変わらないのだが。
明子をまた不安にさせるだけだ。
「あ、でもね?」
「ん?」
「上総とやっと一つになれるって思ってものすごくドキドキしてる...。初めての時よりずっと緊張して、胸が締めつけられるの」
...コイツは。
ほんと俺を煽るのが上手い。
「かわいいヤツ」
力を込めたら砕けてしまいそうな明子の腰を引き寄せた。
何度目かだんだん分からなくなり始めたくらいで、俺は明子に仕掛ける。
彼女はもう体力が持たないらしく肩で浅く息をしていた。
目線もあやふやで、気を抜いたらそのまま寝ていってしまうんじゃないかと疑うほど。
明子の身体をよく見ると俺の執着の跡がおびただしく広がっていて、自分の貪欲さに驚いた。
どんだけ飢えてたんだよ...。
今まで女にキスマークなんて残した事があまりなかったから、尚更自分に引く。
明日明子が気づいたら凄い剣幕で怒られそう。
一応ユニホームから見えないところに付けたつもりだけど。
でも、そんな風に怒られるのも悪くない。
明日の朝に必ず彼女に会えると約束されてるのだから。
思わずにやけそうになった。
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