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なぁ、明子。
後もう少しだけ意識飛ばすの我慢してくれよ。
一番お前が知りたかったこと教えてやるから。
「明子、聞いて欲しい事があるんだけど」
「...ん、な...に？」
明子は焦点の合わない瞳を俺の方に向けて、頬に手を添わせる。
彼女の温もりが頬に伝わって今すぐ抱きしめたかったが、ちゃんとあの正体を彼女に言わないと。
俺がかーくんだと知ったら明子はどんな反応をするだろうか。
正直、
返って来る反応を想像するのが怖い。
明子の理想の中にいるかーくんは、現実にいる入間上総という人間に到底結びつくものではない。
彼女は受け入れてくれるだろうか。
反応が怖くてとても日常の中では伝えられなかった。
こうやって彼女の意識が朦朧としているときに伝えようとする卑怯な男だから。
「...俺がかーくんなんだよ」
「...え？」
さっきまで虚ろな目をしていたのに、俺の言葉を聞いて急にいつもの瞳に戻った。
「...嘘よ。だって上総がかーくんな訳がな...」
「どうしたら俺がアイツだって確信出来る？」
「どうしたらって...。そんなこと言われても...」
「明子が望むことなら何でもする。それでお前が信じてくれるなら」
「...じゃぁ、私のこと呼んで？かーくんが呼んでくれてたみたいにちゃんと...ね？」
妖艶な光を瞳に宿して、明子は挑発するように綺麗な笑みを浮かべた。
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