chart15

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なるほどね。 この後に及んでまだ俺をそうやって煽るわけ。 そんなに煽ってただで済むと思ったら大間違いだからな。 なら、お望みどおりに。 「オレのこと思い出して? めいちゃん?」 その声と同時に彼女に深く身体を沈めた。 「っああ!」 甘い嬌声とスプリングが軋む音が部屋中に響いた。 「これで分かってくれたら嬉しいんだけど」 明子は夢中で俺の背を引っ掻く。 苦しそうに息をしながら、俺の名前をうわ言のように呼び続ける。 「...っ、なんで先に...言ってくれな...かったのよ」 「昔の俺に今の俺が嫉妬しちゃったから?」 にっこりと笑って彼女の問いに答えた。 悪魔の微笑み? 上等だ。 それでも彼女が俺の手の中にいてくれるなら何でもいい。 けど、もう笑ってられる余裕がな くなってきた。 ...限界。 明子をぎゅっときつく抱きしめて、彼女の中で果てた。 「かーくん、お帰りな...さい」 彼女は意識を放す前に、たった一言そう耳元で囁いた。 「やっと迎えに来れたよ、めいちゃん」 やっと。 やっとだ。 やっと約束が果たせた。 寝てしまった彼女を満足げに抱きしめて、唇に触れるだけの優しいキスを落とす。 ...愛してる、明子。 過去も 今も これからも。 ずっと愛し続けるよ。 俺の意識もいつの間にか抱きしめたまま静かに落ちていった。
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