chart16

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私の愛した人はちゃんと私を迎えに来てくれた。 約束の時間はとうに過ぎていたけど、そんなの今となってはどうでもいいこと。 上総もあの約束を覚えていてくれた。 子供同士が交わしたあんな口約束をちゃんと果たしてくれたの。 途中で諦めそうになった自分が情けない。 乗り移ってしまおうかと思ってしまったことも。 結果として二人は同一人物だったけど、もし上総がかーくんじゃなかったどうしていたんだろう。 ...それでも上総が大事なことに変わりはない。 「...上総、好きよ」 「知ってる」 「えっ!?」 寝ていると思っていたのに急に言葉が返ってきて、慌てて上を向いた。 「おはよ」 「おはよう...ございま...す」 ニヤリと笑う彼は寝起きでもムカつく程かっこいい。 どこから起きてたのよと問いただすと、上総はしれっとキスの時からだと答える。 「起きてるなら起きてるって早く言ってよ!あんな恥ずかしいこと...」 「朝から随分積極的だな、俺の彼女さんは」 上総の含んだような言い方に身体が熱くなる。 顔が真っ赤だと笑われた。 仕方ないじゃない。 そんなこと面と向かって言われたことないんだし。 彼女という響きがくすぐったかった。 昨日の朝とは全く変わってしまった二人の関係。 びっくりするほど変わってしまった。 一夜でかーくんの存在さえも。 「真っ赤なんかじゃ...ない」 上総に顔を見られないように背を向けたが、また上総の方を向くように器用に回転させられる。
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