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上総も本当に意地悪だ。
ドSもいいとこのドS。
私が声を必死で出さないように我慢しているのを知ってるくせに、それに追い討ちを掛けるかのように弱いとこばかり狙ってくる。
もっと舌出せよと言わんばかりの彼からの催促が苦しい。
顔を動かそうにも後頭部をがっちりホールドされているから、彼の顔に向かっていくしか動きが出来ない。
...もう、限界。
そろそろちゃんと空気吸い込まないと酸欠で死ぬ。
「あぁっ...」
吸うと同時に一番聞きたく無かった自分の喘ぎ声が耳を掠めた。
上総にもちゃんと聞こえてしまったようで。
「よくできました」
ニヤリと笑みを浮かべて耳元に顔を寄せた。
私は首をすくめて上総と視線が合わないように、見つめていたのは彼の喉仏。
目が合ったら恥ずかしくて発狂する、きっと。
上総も満足したのか、腰を掴んでいた腕を緩めて自分の横に転がした。
やっと長くて深いキスが終わって自由の身になり、充分過ぎるほどたくさん酸素を肺に取り込む。
はぁ...はぁ...と息が切れてる私を見て上総は満足そうに頭をぽんぽんと撫でる。
「なぁ...お前があまりにも可愛いから朝から元気になっちゃったんだけど」
何がとは聞かない。
むしろ聞けないわよ。
今のでどうしてそういう気を起こしちゃうスイッチが入っちゃったのか。
キスだけで終われないほど火をつけちゃったの?
昨日あんなにしたのに?
こっちは腰が砕けそうだって。
どんだけ体力有り余ってんのよ。
気づいたら上総はさっきのキスの時とは違う逆の位置にいて。
「責任、取ってくれるよな?」
綺麗な顔が私を見下ろす。
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