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「あ、あ、朝なんだよ?明るいんだよ?てか、私大ちゃんに何も言わずに来ちゃったから連絡しないと...」
「大になら昨日話つけといたから。それは気にすることない、大丈夫」
「じゃあ、仕事!仕事があるから勘弁して...!」
「今日は二人とも夜勤だから昼までなら後で体力戻せるだろ?」
なんで!
どうして上総が一週間話してなかった私の勤務時間把握してんの!
自分の顔に言いたいことが出ていたのか彼はおかしそうに笑う。
「師長に聞いたら快くお前の勤務時間全部教えてくれたんだよ。頼んでもないのにご丁寧に1ヵ月分の用紙で出してくれたし」
職場から個人情報漏れてる。
だだ漏れじゃない。
そりゃ、師長上総の大ファンだから何でも言うこと聞いちゃうんでしょうけど。
当人の許可もなしに師長め、許さん。
あ、でもそうか。
なんだかんだ言って上総はあの病院の息子なんだし。
顔が利くのは確かだわ。
それでも紙媒体で全部出されるのは困るけどね。
「夜勤に響かないとか、そんなんでドクターやってていいわけ?...昨日あんなにやったのにまだ...、その...体力残ってるの?」
「あんなんで俺が満足できるとでも?10何年もずっと溜めてきたモノが一晩で終われるか。それに、あんなんでへばるような体力じゃない」
満面の笑みで上総は服を剥き始める。
「これ、俺が着せてあげたんだから脱がせたっていいよな?」
脱がせる前にダメって言わせて!
それとも観念しろってこと...?
「...一回だけだよ、ほんと」
「努力はしてみる」
努力って。
する気ないでしょ、その顔。
そんなムッとしてる表情浮かべたってバレバレだからね。
表情とは逆に嬉しそうな雰囲気を醸し出すのは反則でしょ。
降参せざるを得ない。
それを狙ってたんでしょ、上総。
「優しくしてクダサイ」
「もちろん」
ギュッと抱きしめた上総はそのまま狙いを定めるかのように私の首筋に噛み付いた。
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