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「俺の奥さんになる契約を結んでください」 射抜くような瞳で差し出されのは婚姻届。 それも何回も折った跡が残っていて、かなり昔から持っていたかのようなモノ。 「俺達なんだかんだ言って半年くらい同棲してたみたいなもんだし、その...恋人期間とか吹っ飛ばしても明子がいいって思ってくれるなら」 そんなの... 頷くしかないじゃない。 断る理由なんてひとつも見つからない。 まさかプロポーズまでしてもらえるなんて思ってなかった。 人生というのは全く予想のつかない不思議なモノだと改めて思い知らされる。 半年先のことでさえ検討はつかないのだから。 「...私を上総の奥さんにしてください」 絶対に笑顔で答えようと思ったのに、一筋だけ涙が頬を伝った。 でも、悲しい涙なんかじゃない。 嬉しくて、幸せだと噛み締めた涙。 「絶対に、絶対に幸せにする。お前が俺とで良かったって思ってもらえるように頑張る」 私を抱き寄せて、頬に流れた筋に優しく口づけた。 嬉しくて、嬉しくて。 飛び跳ねてしまいそうなのに。 この気持ちをどう表現すれば上総に伝わるんだろう。 「頑張らなくても私は幸せよ?上総がいてくれる、それだけで幸せだから」 ...いつまでも傍にいてね。 そっと耳元で囁く。 その声を聞いた彼は嬉しそうに顔を綻ばせて、子供みたいに首を縦に振ってもちろんだと教えてくれた。
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