第一話 レーレベル皇国の姫

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悲劇の一週間前___ 「アリシア!アリシアはいる!?」 城の前 一人の少年が門を叩いている。 「僕だ!ルシャーだ!」 「あれ、ルシャー、うちになにかよう?」 「え?」 「え?」 アリシアは、ルシャーの後ろにいた。 城の外にいたのだ。 ルシャーは目をまんまるくして言った。 「あれ、アリシア、君、脱走回数が酷すぎて外出禁止になったんじゃなかった?」 「そうだよ。」 アリシアは、さも当然かのように答えた。 手にはパンや林檎、バターやジャムの入った紙袋を抱えている。 服はよれよれの安物。 長い髪はグシャグシャで、軽く上の方で縛ってある。 靴もよれていて、泥まみれだ。 「ルシャーのせいで誰かが部屋に呼びに来ちゃうじゃない。 私は部屋に戻るけど、ルシャーはちゃんとここで待っていてよ? 誰かが迎えに来るから。」 「あ、うん。」 木にすいすいと上り、枝から部屋に飛びうつるアリシアを見て、改めてアリシアってすごいなぁ、と、感心するのであった。
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