極々普通の一般的平凡な高校生

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舞台は放課後の職員室である。 「講演が終わりを告げた時、私の頭はボーとしていた。 考えたらわかる通り私は寝ていたようだ。 いやまて、どうして私は寝ていたのだろうか? その謎について色々自問自答を繰り返した結果、私は講演を開いている方の声にある種の睡眠効果があるのでは、と考えた。 不眠症で、毎日夜中の2時頃にしか眠れない私が寝てしまう程だ、きっと物凄い効果があるに違いない。 翌々考えてみると学校の先生方の声にも睡眠効果があるようだ。 もしかしたら人々の前に立って演説をする人には睡眠効果を持った声が必須なのかもしれない。 もしくは人の前に立って話すという行為が人の声に睡眠効果を与えているという事も考えられる・・・・が別に私はどちらでも構わない。 このレポートを通して私は、睡眠効果を持っている、もしくは付与している状態の声で話をしたのだから、話を聞いているうちに私が寝てしまう事は至極当然である。 だから寝ていた私を注意するのは筋違いであり、寝てしまった責任は講義をしたやつが取るべきだ、私は悪くない。と訴えたいのである。 この理論は授業中でも適応されるので、是非とも授業をしている先生方の頭にも入れておいて欲しい。」 俺が書いたレポートの内容を読み終えた木村先生は紙から目線を放し、立っている俺の方をみた。 「このレポートについてどう思う?」 いつもどおり、ニコッと笑って聞いてくる木村先生だが、今回の問いには何やら殺気だったものが感じられるのは気のせいだろうか。 「物凄く良いレポートだと思います。ネット的な言い方をすれば神ですね。これを書いた人はきっとこう呼ばれるでしょう『なんだ、ただの神か』と。もうその原稿用紙をペーパーと呼ぶのはおこがましい。それはゴットとれるべきです。かみ↑ではなくかみ↓です。」
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