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北風が肌に痛い二月の半ば。 中学一年生も、もうすぐ終わる頃。 私達は相変わらず、みんなで 一緒に過ごしていた。 今の私達のたまり場は 純平と恋翔の家。 いろいろな事情があり 純平と恋翔は地元の小さな一軒家で 二人暮らしをしている。 つまり、未成年同士がたむろするには もってこいの場所。 恋翔はこの日、私達のために 自宅の合鍵を5つ作ってきてくれた。 「いちいち呼び鈴鳴らされたら めんどくさいからなー」 純平は笑いながら 恋翔が作ってきてくれた合鍵を 全員に手渡した。 楓、敬介、心愛、祐は 毎日ほとんどの時間を この家で過ごしている。 ほぼ一緒に住んでいる状態だ。 私だけは、ほとんど自宅に居て 空いた時間をなんとかうまく利用して 夜中や週末の昼間に顔を出して 数時間で帰ることが多かった。
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