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窓の外を眺めると、一枚、また一枚と 木から落ちた枯葉が寂しげに宙を舞っている。 教壇に立つ教師の姿など全く見えていないような面持ちで 私は黒板の上の壁掛け時計に目を移した。 早く帰りたいな・・・。 下校時間一時間前。 このまま一人だけ帰ってしまっても 問題はないだろう。 いや・・・大問題だ。 中学一年生の秋。 そんなことをしたら、間違いなく親に連絡をされてしまうだろう。 窓側の一番後ろの席という、誰もが羨むこの席で 今日も私はくだらないことばかり考えていた。 日直の号令が終わったら、ダッシュで家に帰ろう。 邪魔するやつが居たら 回し蹴りでもくらってもらおうか。 ふと、また窓の外を眺めると なんだか切ない気持ちになって 自然と溜息がこぼれた。 不機嫌そうな雲に覆われた どんよりとした秋空に 頬をなぞるような冷たい隙間風。 心の底から沸き上がってくるような 寂しさと寒さに、初めて自分が貧乏揺すりをしていることに気がつく。 この特等席も、冬は考えものだな。 なんせストーブから一番遠い。 しかし、寂しさを感じる原因は なにも寒いからというわけでも どんよりとした秋空を眺めているからというわけでもない。 確かに人恋しくなる季節ではあるけれど・・・。 ”邪魔するやつ”なんて 居るわけない。 この学校に、友達なんて呼べる人は 一人もいないのだから。 頬杖をつき、教科書の上でシャーペンを転がしながら 窓の外を眺め 溜息をちらつかせる。 これが私の授業中のスタイルだ。 早くみんなに逢いたいなぁ・・・。
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