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勉強や教師やクラスメイト 学校の中でのことは何もかもが どうでもよく感じていた。 こんな私だ。 たとえ教室のど真ん中に立っていたって 誰からも相手にされない。 お昼の時間は毎日、担任に決められた班の人たちと 机をくっつけて 6人で給食を食べるのだが 私にとっては一人で食べていることと同じ。 私に振られる話題などは、ほとんど無く 私も私で自分から話に入っていくようなことは決してしない。 変わり者だと私を気味悪がる人も居る。 あることないこと、でたらめな噂を流す人も居る。 用事があって話かけてもシカトをきめこむやつ 聞こえるように悪口を言うやつ 私が通ると大袈裟に退くやつ・・・。 本当にいろんなやつがいる。 同じ年の私が言うのもなんだけど こいつら、ほんとにガキ。 そう思えるほど、学校に友達が居ないなんて これっぽっちも問題ではなかった。 私にはちゃんと 居場所がある。 大切な居場所があって 大切な人たちが居る。 私は一人じゃない。 人間って不思議なもので そう思うだけで、なにがあっても 強くいられる。 だからきっと、アレだ。 学校にいる間、時折感じる寂しさは つまらなさからくる ただの錯覚。 そう自分に言い聞かせ 気付けば授業も号令も終えた後の教室から 私は逃げるように足早に家路をたどった。 教室を出る際、強風に煽られて カタカタと音をならす窓に気をとられ 一瞬後ろを振り返った。 窓の外では 枯葉が美しく舞っている。
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