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私の家から歩いて15分ほど。 何もない小さな空き地が私の大切な場所 私のたったひとつの居場所。 さすがにダッシュじゃ1、2分が限界で 息をはずませながらのろのろと歩き始める なんとも情けない私。 いや・・・普段なら30秒ももたないだろう。 必死で、逃げるように がむしゃらに走った。 あれは誰だ? 電柱で隠れててあまりわからなかったけど たぶん私と同じ年ぐらいの女の子。 あんな子知らない。 いや、それよりなにより ほんの一瞬見ただけなのに 忘れられない・・・。 恐怖すら感じるような 怒りで震え上がる 彼女の瞳。 この世のものとは思えないほど 憎悪に満ちた眼差し。 考えれば考えるほど 心がかき乱される。 いつまでも息が整わない。 寒いはずなのに汗が引かない。 もうすぐ空き地に着くのに・・・。 みんなもう居るかなぁ? 居るよね。 そうだ さっきのことは私の勘違いだったのかも。 私のことを睨んでたわけじゃ・・・ 私のことを見てたわけじゃないんだ きっと。 やっとみんなに逢えるんだし 忘れよう。
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