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ウィルトとケネスは機材が散乱する足場を踏みつけながら、青く光り輝くチェインソードを振るっている少年に左右から接近した。
(あの剣に触ったら一発でアウトだ……)
続けざまに見た仲間の末路を思い出し、改めてウィルトは身体が震えているのを実感していた。言ってしまえば想定外の事態だ。あの剣の事については触れてはいけないと言う事のみしか知りえていなかった。
気付けば一寸先に全てを破壊せんとしている少年がいた。
「あいつ、大広間でぶつかったやつじゃないか!」
なぜ今まで気付かなかったのだろうと思う半分、違う意味で何故? と言う疑問も浮かんだ。瞳の色こそ今は違うがあの学校の制服の様な服装は同じだった。
「危ない!」
一瞬。閃光の様な光が眼前で弾けたかと思うと、ウィルトの目の前で光の剣が空を切り裂いた。少年が不敵な笑みを見せながらチェインソードを此方に向けている。ケネスの声が無かったら直撃していただろう。
「うっ!」
続いて繰り出される突き攻撃。それは背広を掠めて何かが焦げたような音を出した。咄嗟に見れば、脇腹付近の服の部分が消えている。
「この!」
ケネスの声と共に放たれた弾丸が少年の足元目がけて接近する。
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