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さて、その日の夕方。
「さて・・今日はまっすぐ帰ろうかしら。特にやることもないし。」
そう言いながら夕暮れの通りを歩いていく霊夢。その後ろには、電柱に隠れながらあとをつける文の姿があった。
「ふふふ・・この私は簡単には諦めないのですよ。教えてくれないなら調べればいいのです。」
ムフフ、と笑う文。しかし、その時ある事に気付いた。
「(おや・・?霊夢さん、やけに人通りの少ない道を選びますねえ・・。これはひょっとして・・)」
そして、一際閉散とした道に入った時、霊夢が言った。
「・・ねえ、いるんでしょう?いつまで隠れているつもり?」
その言葉に、文がビクリと反応する。
「(ま、まずい。これは取材失敗か・・?)」
しかし、それに別の声が答えた。
「ばれたのかー。」
その声とともに、霊夢の周囲に昨日と同じ罪袋たちが現れた。
「・・面倒くさいわね。」
霊夢がぼやいているとき、その状況を見ていた文は驚くと同時にワクワクし始めていた。
「(こ、これは一体・・!?やはり霊夢さんとあいつらは何らかの関係が・・)」
文は興奮してカメラを構える。しかし、
「わはー。」
「どおわぁっ!?」
突然頭上から、黒い服に金髪で両腕を広げた女児が降り立ち、文は踏みつぶされてしまった。
「あれー、人がいたのかー。ごめんなー。気づかなかったのだー。」
そう言って女児は気絶した文を無視して霊夢を見据える。
「・・あんた、誰?」
霊夢が問うと、女児はにこっと笑って答える。
「私はルーミア。妖怪軍団の下っ端なのだー。」
「自分で下っ端いうか・・」
霊夢はあきれ顔で言うが、ルーミアは構わず続ける。
「私はおまえを倒して、食べちゃうのだー。」
ルーミアがギラリと牙をのぞかせる。だが、霊夢は鼻で笑っていった。
「『良薬は口に苦し』って知ってる?」
そしてポケットから陰陽玉を取り出し、ベルトにはめ、叫ぶ。
「【変身】!!」
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