現世の素敵な巫女さん

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「よくも・・私の・・・十円をおおおおおおっ!!」 怒りに満ちた叫び声をあげる少女。周りの面々が数歩後ずさる。 少女は鋭い目で、連中を見据える。 「・・罪袋どもに・・あんたは妖精ね?」 その言葉に、緑髪の少女がびくんと反応する。 「それを知ってるという事は・・やはり貴女は・・!」 少女は、頷く。 「ええ。お察しの通り・・」 言いながら、少女はセーラー服の下をまくる。そこには、お札か何かがセットされたベルトが巻いてあった。続けて、ポケットから丸い、陰陽のマークがついた石を取り出し、それをガチャリとベルトの真ん中にはめ、少女は叫んだ。 【変身!!】 「!!」 その瞬間、少女の周りを光が包み、衣服のセーラー服が消え去り、赤の目立つ、やたらと脇が強調された特異な巫女服へと変貌した。 「私は『博麗の巫女』、博麗霊夢よ!」 「く・・みんな、行って!あの人を倒すのよ!!」 号令とともに、罪袋と言われた男共が霊夢に群がる。しかし、霊夢は方々からの攻撃を軽々と避け、拳と蹴りで逆に軽くいなしていった。 「ふっ!」 「ぎゃっ!」「うごはっ!」「ありがとうございます!」 あっという間に、妖精の少女を残し、罪袋たちはのびてしまった。 「あ・・あ・・」 「罪袋・・あなたたち『幻想』に殺されたものは、人の心を失い、操り人形となり利用される・・哀れなものね。」 霊夢は、お札を取り出し、ゆっくり妖精に向ける。すると、そこが光を帯び始めた。 「パースウェイニードル!!」 宣言とともに、彼女から無数の光る針状のものが放たれた。 「きゃああああああ!!」 叫び声と同時に大きな爆発が起こり、煙が晴れるころには、誰もいなかった。 「・・・終わった。」 霊夢はため息をつくと、石を外してポケットにおさめ、変身を解いた。 「かえろ。」 買い物袋を拾い、霊夢は、薄暗くなっている道を歩いて行った。 …しかし、その時後ろに、霊夢をうかがう、一人の影があった。
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