現世の素敵な巫女さん

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「この!!」 大妖精が霊夢に向かって手をかざす。だが次の瞬間。 「遅い。」 すでに変身を終えた霊夢は、素早く浮かび上がり、大妖精の目の前に現れる。 「パースウェイニードル!!」 例の針状の弾幕が、ゼロ距離で大妖精に直撃した。 「きゃああ!」 大妖精は吹っ飛ばされるが、何とか体勢を立て直した。 「神社に向かって撃たないでもらえる?器物破損で訴えるわよ。」 「・・・!」 霊夢の余裕に大妖精は唇をかむが、霊夢は冷静な目を崩さない。 「私たち幻想の力を使うものは、空での戦いが本領・・。でもアンタにどこまでできる?」 「くぅ・・・!」 大妖精は再び手をかざし、叫ぶ。 「クナイ弾!!」 クナイの形をした緑色の球が、円形にばらまかれる。だが、 「・・遅いって言ってんのよ。」 霊夢はその隙間を軽々くぐり、大妖精に迫る。 「うわわ!!」 大妖精は驚いて距離を取ろうとしたが、それより霊夢の行動は早かった。 「ホーミングアミュレット!」 今度は四角い弾幕が放たれる。それは、逃げる大妖精の後を追うように飛んで行った。 「え・・・?あうっ!」 被弾し、大妖精は弾き飛ばされる。その隙も、霊夢は見逃さなかった。 「はっ!!」 一瞬で距離を詰め、大妖精を蹴り飛ばした。 「きゃあああ!!」 大妖精は叫びながら、地面にたたきつけられた。 「い・・つ・・・」 よろめきながら立ち上がろうとする大妖精に、歩きながら霊夢が近寄る。 「大妖精、あんた、妖怪軍団の一人だから負けない・・とか言ったわね?」 「・・・?」 大妖精の言葉も待たず、霊夢は続ける。 「それは違うわ。あんたは・・いえ、あんたらは、妖怪軍団「だから」私に負けるの。」 その時、霊夢は一枚のお札を掲げた。すると、霊夢の周りに大きな光球がいくつか現れる。 「・・・・!」 「私が、そう決めた。・・霊符『夢想封印』!!」 光球が一気に大妖精に襲いかかる。 「いやあああああああっ!!」 ピチューン 大妖精の悲鳴と大爆発と共に、その辺りは跡形もなく吹き飛んだ。 「・・・はあ。」 霊夢は変身を解き、ぼそりとつぶやいた。 「・・まだまだ、長くなりそうね。」 霊夢、彼女が何者なのかは、まだわからない。
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