新聞部の少女

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・・どこだかわからない暗い場所。そこに、椅子に座る数人の女性、そしてそれに囲まれて頭を下げる昨日の大妖精がいた。 「申し訳ありません・・私が至らないばかりに・・」 若干声を震わせながらそう言う大妖精に、一番右の手前にいた水色の髪の少女がこういった。 「・・失敗は誰にでもあるわ。生き延びて帰ってこれただけよかったわよ。」 その言葉に大妖精は幾分表情を和らげるが、すぐに隣に座っていた、背の低い羽の生えた少女がこう言い放った。 「逆ね。失敗した挙句逃げ帰るなんて、無様もいいところよ。」 その言葉に、水色の髪の少女が反応する。対して背の低い方はうっすらと笑いながら相手を見やる。一瞬空気に緊張が走った。 「はいはい、そこまで。」 それを止めたのは、ピンク色の髪の女性だった。 「私たちがいがみ合ってもしょうがないでしょ。」 その言葉に、両者はしぶしぶ向き直る。すると、中央に座っていた金髪の女性が口を開いた。 「ともかく、そろそろ本格的に彼女をつぶす必要がありそうね。」 そして、先ほどの水色の髪の少女に向き直る。 「・・レティ、あなたの部下、お願いできる?」 レティと呼ばれた少女は、少し不機嫌そうな顔をしながらも、頷いた。 「・・ええ。」 金髪の女性は満足そうに笑う。 「頼むわよ。私たち妖怪軍団の計画は、始まったばかりなのだから。」 そしてレティと大妖精を除く面々は顔を見合わせ、また楽しそうに笑った。
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