Cherry 9

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「…ごめんなさい」 良に促され、仕方なく私は両親に謝る。 「高見さん、取り敢えずソファーに座って下さい。そこの家出娘さんもご一緒に」 ママに言われ私達はソファーに並んで座る。皮張りのゆったりとしたソファーが、二人の重みで静かに沈んだ。 私達はパパと向かい合ったまま、次の言葉が出てこない。静かなリビングに掛け時計の秒針の音だけが、カチカチと時を刻んだ。 呼吸することも気を使うくらい、重苦しい空気の中、ママがお茶を出す。 「ありがとうございます」 良はママにお礼を言うと、意を決したように口を開いた。
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