Cherry 9

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「私にはご存知の通り結婚歴があり、四歳の娘がいます。まだ二十一歳の美生さんには、相応しくない相手だと重々承知しています。 美生さんとこの一年真剣にお付き合いしてきました。娘のことで美生さんに苦労をさせてしまうかも知れません。ですが美生さんとなら、どんな苦難も乗り越える自信はあります。どうか、美生さんとの結婚を認めて下さい」 良が深々と頭を下げ、私も一緒に頭を下げる。 「結婚を認めろ?」 パパの威圧的な声がリビングに響く。 「はい、宜しくお願いします」 パパが湯呑みを掴み、お茶を飲み干す。私は怖くてパパと視線を合わせることが出来ない。
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