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【美生Side】
夜のコインパーキング、街灯の明かりが良の白いクラウンを朧気に照らす。
「良…」
不安で声を掛けるけど、良はまだ無言。
緊張のあまり鼓動は速まる。良は私の手を引き、駐車場の中に入り、クラウンの助手席のドアを開け、私を車に乗せた。
車のトランクにキャリーバッグを入れ、運転席に乗りドアを閉めた。
ドアの閉まる音に、私の心臓はドキンと跳ねる。
いきなり家を飛び出し、怒ってるのかな?いつもの良とは違う…。
良は無言のまま車のエンジンを掛け、車を走らせた。車は明らかに良の家とは反対方向だ。
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