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「良…、何処に行く気なの?」
私の言葉に良がやっと重い口を開く。
「美生の家だよ」
「えっ?待ってよ。私の家へ行く気なの?無理だよ」
「何が無理なの?」
良が真剣な眼差しを私に向けた。
「だって私は…家を飛び出して来たのよ。パパはカンカンだし、冷静に話なんか聞いてくれるはずがない」
「そんなこと、行ってみないとわからないだろう?」
良の言葉に私の心臓は今にも破裂しそうなくらい、バクバクと大きな音を鳴らす。
「お願い…今日は家に帰りたくないの。私…ホテルに一人で泊まる。だから…引き返して…」
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