1.一目惚れの方程式

4/4
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/71ページ
 俺は彼女に心を奪われてしまったようだ。無意識に「はい」と返事をしていた。  最早、ここが何部だろうと構わない。俺のアイデンティティはどこかに吹っ飛んでしまった。  彼女は微笑むと、俺に入部届けの用紙を差し出した。「それでは、これにクラスと名前の記入をお願いします」  俺は彼女から用紙を受けとると、躊躇なくクラスと名前を記入した。 「一年A組 鷹山トオルさんですね。素敵なお名前」  彼女は書かれた名前を見て、また微笑んだ。眩しい、なんて眩しい笑顔なんだ! 「私は、この『占い研究倶楽部』の部長で、二年の如月すずめと申します。どうぞよろしく」
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!