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占い研究倶楽部(通称うら研)。部員は俺を除いて五人の小さなクラブのようだ。ただ、驚くべきは、その五人全員が女子だということ。
ハーレム
なんと素晴らしい響きの言葉。俺の脳内に甘美な電流が流れた。こんにちは、薔薇色の学園生活!
「鷹山君、うら研に入部したって、本当?」
翌日、登校した俺はクラスの犬養という男子生徒から、いきなりそう尋ねられた。心なしかクラス全員が俺に注目している。
そうか。ハーレムを羨ましく思っているんだ。きっと今まで男子禁制のクラブだったに違いない。俺が入部出来たので、みんな驚いているんだ。
「ああ、そうだけど」
俺は少し優越感に浸りながら答えた。
「今なら、まだ間に合うと思う。退部した方がいい」
はぁ? コイツ、何を言っているんだ?
「そうよ。退部した方がいいわ」
クラスの女子まで犬養に賛同してきた。
「鷹山君は遠い学区から入学してきたから知らないのだろうけど、うら研はヤバいらしい!」
犬養が必死に訴える。
「ヤバいって、どうヤバいんだよ?」
俺の問いに犬養は目を伏せる。「僕も入学したばかりだから詳しくは知らない。ただ、何人もの部員が病院送りになったって聞いてる」
あの清楚で可憐な如月先輩が部長をしているクラブだぞ? デタラメに決まっている。
きっと嫉妬が生み出した噂に違いない。俺は犬養や他のクラスメイトの警告を聞き入れるつもりはなかった。
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